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最も広く使用されているステーブルコインである「テザー」について学ぶ

「仮想通貨やデジタル資産はボラティリティが高すぎる 」という意見は、ビットコインイーサリアム、あるいはドージコインのような資産に難色を示す人たちによる、最も強い批判のひとつでしょう。これに対し、仮想通貨の愛好家たちはこれに時を移さず、「ボラティリティーは特徴であり、バグではない」と答えます。Tether社は業界初のステーブルコインを発売し、この問題を解決しました。

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ステーブルコインとは、価格が仮想通貨、法定通貨、または取引所で取引されている金融商品などの価値に連動されるように設計された仮想通貨のことです。最たるステーブルコインの1つである「テザー」は2014年7月に、ビットコイン投資家のBrock Pierce氏、起業家のReeve Collins氏、ソフトウェア開発者のCraig Sellers氏によって当初「リアルコイン」として発表された、Tether Limited社が発行する仮想通貨です。テザーは、もともと常に1米ドルの価値を持つように設計されているため、ステーブルコインと呼ばれています。

「USDT」のティッカーシンボルを持つテザーは、仮想通貨のエコシステムにおいて重要な役割を果たしています。2021年7月中旬の時点で、テザーの時価総額は約620億ドルとなっており、仮想通貨全体で第3位にランクインしています。また、過去6ヶ月の間に、420億ドル以上の追加の資金を調達しています。本稿執筆時点でテザーよりも高い評価を受けているのは、ビットコインイーサリアムだけです。さらに、1日の取引量が最も多いコインとして、ビットコインを上回ることもしばしばあります。

香港に拠点を置く仮想通貨取引所のBitfinexは、同じく香港を拠点とするTether Limited社と提携しており、近しい関係にあります。また、Tether社のウェブサイトによると、Tether Limited社はTether Holdings Limited社の完全子会社です。

テザーは、既存の取引所も新参の取引所も含め、ほとんどの仮想通貨取引所で広く受け入れられています。最も流動的な通貨ペアの1つであり、他の仮想通貨を購入しやすくするために使用されます。トレーダーや投資家は、仮想通貨市場でのポジションを維持しながら、安定した価値の貯蓄を保持するのに頻繁に使用しています。

仮想通貨の分野に足を踏み入れたばかりの初心者は、ビットコインイーサリアムなどの通貨ペアと比較して、ドル建ての通貨ペアの仕組みの方が理解しやすいため、多くの取引所で人気があるトークンです。また、主流の金融機関に法定通貨の銀行口座を開設することが困難な取引所にとって、ドルとペッグされたテザーは基軸通貨としての役割を果たします。ほとんどの取引所で、テザーでの資産の保有に頼ってます。

テザーの新規発行方法は?

ビットコインのような他の多くの仮想通貨とは異なり、テザーはマイニングされません。代わりに、Tether Limited社が新しいトークンを生成し、準備金として法定通貨が入金されると、Bitfinexを通じて発行されます。

テザーは元々、ビットコインブロックチェーン上に存在するOmni Layerを介して発行されていました。現在はイーサリアムなどの他のブロックチェーン上でも生成されており、現在は、ERC20プロトコルのテザーの発行量が最も多くなっています。また、TRON、EOS、Algorand、Solana、OMG Network、Polygonなど、いくつかの他のブロックチェーン上でも発行されています。

なぜテザーが重要なのか?

先に述べたように、テザー社は仮想通貨と法定通貨の間のギャップを埋めることで、仮想通貨業界において極めて重要な役割を果たしています。その結果、投資家は他の仮想通貨のボラティリティーにさらされることなく、米ドルと1対1の交換レートで取引を迅速に行うことができます。このような安定性を提供することで、投資家は法定通貨の特徴に似た仮想通貨を保有することができ、仮想通貨市場において他の仮想通貨との取引を簡単に行うことができます。このテザーの主たる特徴こそが人気の高い仮想通貨となっている所以です。しかし、目下のところ完全に安全というわけではないようです。

テザーは成長著しい分野のDeFiにどのように貢献しているのか?

DeFiは過去1年間で爆発的な成長を続けています。しかし専門家によると、この成長はまだ初期段階にあるようです。ビットコインイーサリアム、他のERC20トークンなどの仮想通貨資産から収益を引き出す方法として、DeFiのユーザーは自分の保有資産を預けて、分散型プロトコルから融資を受けます。これをデジタルアセット担保ローンと言います。これらのローンは主にステーブルコインとして発行され、その代表的なものがテザーです。Tether社とBitfinex社のCTOであるPaolo Ardoino氏は、仮想通貨ニュースを配信するCointelegraphに対してDeFiについて次のように語っています。

「分散型のメカニズムが、業界の発展を真に形作っていくでしょう。昨今のDeFiの盛り上がりが、あらゆるDeFi製品の研究開発やプロジェクトにさらに波及していくことを願っています。テザーはDeFiの中で最大かつ最も急速に成長しているステーブルコインの一つです。我々は、テザーこそが次世代型の金融システムを支える重要な役割を果たし続け、DeFi基軸通貨であり続けることを保証します。」

テザー社をめぐる論争の数々

Tether社は銀行のドル建て準備金に支えられていると記述しました。具体的にはどのくらいの額なのでしょうか。この点、ニューヨーク検事当局(NYAG)との間で論争の的となっており、Tether社は規制上の問題に巻き込まれています。NYAGの声明によると、テザー社とその親会社への制裁として、1900万ドルの罰金を支払うよう命じました。続けて次のように述べています。

「Bitfinex社とTether社は、巨額の財務的な損失を隠蔽しており、これは無謀かつ違法です。そしてそのスキームを継続し、利益を優先しました。仮想通貨は常に米ドルで完全にバックアップされている、というTether社の主張は嘘だったのです。」

テザー社は2021年5月、準備金として保有する資金の詳細を含む、事業に関する定期報告書を初めて発表し、業界関係者の注目を集めました。定期報告書を提出させる命令権は、NYAGに授権されています。当該報告書によると、準備金の約76%は「現金または現金同等物」であり、このカテゴリー以外の残りの部分は、ビットコインを含む担保付きのローン、債券、その他の投資となっていました。この約76%のうち、約65%がコマーシャルペーパー保有され、約25%が受託預金で占められていたことは話題となりました。そして、このカテゴリー内の残りの部分に焦点を当てると、テザー社の準備金の内、実際に現金で保有されているのは3%程度ということがわかりました。

American University’s Kogod School of BusinessのFrancine Mckenna助教授は、このように指摘しています。「さまざまな企業の信用格付けがあるため、すべてのコマーシャルペーパーが同じように作られているわけではありません。かつては純粋だった多国籍企業でさえ、今はそうではありません。」これは、Tether社がリスクの高いゲームを行っていることを示唆しており、Tether社を信頼して取引を開始した大部分の仮想通貨投資家に不利益をもたらす可能性があります。

しかし、仮想通貨市場全体が下落傾向にある中で、5月末から現在までの間に、テザー社の時価総額は更に20億ドル増加しています。一方、発売から約2年という短期間で、テザーのライバルにまで成長したステーブルコインのチャレンジャーもいます。

Tether社の優越に対抗するチャレンジャーのステーブルコイン

イーサリアム、ステラ、Algorand、Hedera Hashgraph、Solanaの各ブロックチェーン上で作動するUSDコイン(USDC)は、テザーの猛烈なライバルです。USDCの時価総額は、1月以降、41億ドルから7月には263億ドルにまで成長し、現在の業界で最も急成長している仮想通貨の1つとなっています。将来的にUSDCがテザーを抜いて、最大のステーブルコインになることもあるかもしれません。

リスク警告:信用取引は資本に高レベルのリスクを伴うため、失うことができる金額でのみ取引をすべきです。信用取引はすべてのトレーダーに適しているとは限らないため、関連するリスクを完全に理解していることを確認し、必要に応じて専門的なアドバイスを求めてください。
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